日本では、専業主婦という言葉が普通に存在しますが、
外国では専業主婦とは仕事にならない、ただの怠け者、脳無しと思う国もあります。
フランスはその風潮が強いです。
今回は私が日本からフランスに移住し、主婦を選んだものの、
周りからどんな目で見られているか、本当の生々しい現状をお伝えします。
日本で主婦されている人が、フランスで職業聞かれた時に「主婦です」と
言わない方が言い理由などもお伝えしますね。
日本からフランスに移住したわけ…きっかけは甥っ子の難病
フランス人の夫と結婚しましたが、当時は日本に住んでいました。
夫婦でレストランを経営し、とても順調でした。
そんなある日、
フランスで主人の甥っ子が生まれたとの知らせが!
ですが、難病で生まれてきたため、
何歳で死んでしまうかわからない
可能性がありました。
遠く離れた日本で
あまりにもショックな出来事に
夫と私は、何度も涙を流しました。
そして一度、家族と子供の夏休みを利用してフランスの家族に会いに行こうと決め、
私たちの息子が小学校4年生の夏休みに2週間フランスに戻りました。
難病の子供は、見かけでは全く難病とはわからない元気で
モデルになれるようなとてもかわいい目がクリクリしたブルーの瞳で、
誰が見ても心を奪われてしまうぐらいの魅力を持った子でした。
しかし、服を脱ぐと痛々しい手術のあとが何針も体に残っています。
現状的には白血病のような感じで、
外からのウイルスを自分の力でやっつける機能が働かないのです。
そして、大きくなっていくに連れ、肺が機能しなくなる
嚢胞線維症(のうほうせんいしょう)という遺伝子の難病だったのです。
主人はそんな可愛い甥っ子を抱き、
いずれは自分の肺をその子にわけてもいいぐらいの気持ちでいたそうです。
決定打は息子の「フランスに住みたい」の一言。
それに加えて、私たちの息子が、
フランスの空気、家族、見るもの、食べるもの全てに衝撃を受け、
日本に帰ってから毎日毎日「フランスに住みたい」と泣きました。
毎日夜寝る前に目をつぶると
「フランスのことが出てくる」
んだそうです。
シクシク泣くのではなく、号泣するのです。
息ができないほど。。。
約2週間くらいはそんな状態が続いたでしょうか。
ホームシックのような状態というのでしょうか。
私たち夫婦はフランス料理店を経営するという
お互いの夢を叶えられたので、
甥っ子のそばで何が起こってもサポートしてあげれるように、
自分たちの子も幸せに暮らせるように、フランスに帰ることを決意しました。
もちろん、大きな決断ですから、何度も何度も話し合いました。
あと、甥っ子が難病ということで
主人の家族親戚も精神的に不安定な状況が続いていたのです。
息子のあまりの号泣するくらいの精神状態と
親族の不安定な状態が重なり、
きっと何かの運命かも知れないということで
帰ることを決断したのです。
私がフランスで主婦をして、働かないわけ
自分で店を開ける腕前を持つシェフであるにもかかわらず、
私は今、フランスで主婦をしています。
なぜなら、
私たちが日本を離れる前に、
私は子供が落ち着くまでは働いてはいけない
と夫婦で決めたからでした。
もともと仕事大好きな、仕事が生きがいだった私は、
主人の言葉に正直腹が立ち、かなり葛藤しました。
ですが、子供のことを考えると
そんなことは言っていられませんでした。
田舎の日本の学校に毎日通って
アルファベットなんて全く書いていなかった子供を
いきなり現地の小学校に入れることは不可能に近かったのです。
家族でフランス語で会話することもあり、
全く話せないわけではなかったのですが、
やはりレベル的には低かったので、
現地の同じ年の子についていくのはやっとのことでした。
母親(私)が支えなければやっていけない状態だった
なので、私がつきっきりになって
毎日毎日フランス語の勉強や、
フランス式の算数、社会 理科、全て家庭学習から入っていき、
少しずつフランスの現地学校に慣れさせていきました。
算数も日本とは計算のやり方が違いますし、
フランス語での文章問題は、かなりの難関でした。
そして、お昼ご飯は家に帰ってご飯を食べるので、
毎日栄養のある美味しいご飯を食べさせることも大切でした。
夫婦も子どもも生活が180度変わった
私たちが日本にいた頃は毎日毎日、
休みなく早朝から夜中まで働き、
子供はその間ずっと一人で過ごしていました。
一人でご飯を食べ、一人でお留守番をし、一人でお風呂、寝る。
私たちはお店があるので、
友達と遊ぶことも彼はできませんでした。
送り迎えができなかったからです。
誰とも遊ぶことはありませんでした。
そんな日本での生活をフランスに来てゼロからスタートするなら、
全て変えよう!と決めて、主人は全く違う職業につき、
私は今現在、主婦として子供のサポートをしています。
子供は、日本の生活から比べると180度違う生活になったため、
「もう日本の生活には戻れない」と言っています。
- 家族一緒に食事する
- お風呂もたまに一緒に入れる
- 日曜日、家族で散歩
- みんなで釣りに行きピクニックする
- 親戚と揃ってご飯食べる
こんな何気ない普通の生活を
これまで送ってこなかった息子にとっては、
生まれ変わったぐらいの変化だったのでしょう。
転勤等で移住になり、
自分の子どもを現地の学校に
ただただ入れてしまう人がいますが、
家族のサポートがしっかりとなければ
相当、つらいことだろうと思います。
一般的なフランス人の主婦に対する思いや、反応は・・・。
私たちの決めた新しい人生ですが、
実際のフランス人からすると
この行動は「おかしい」のです。
フランス人の夫は、
日本で「主婦」を見てきてますので、
私が働かないで子供や家のことをすることに抵抗はなく、
しかも「普通の人の何十年分もの仕事してきたんだからやすんだら?」
と言うぐらいです。
完全に日本人です。笑
しかし、フランスで一人しか子供がいない家庭の「主婦は」
脳無し
頭が悪いただの怠け者
なのです!!!
三人ぐらい子供がいると、主婦でも許されるようですが、
一人二人の家が多いため、
ほとんどのフランス人は共働きです。
私たち家族だけならばいいのですが、
親戚にまで、「あそこの嫁は働かず怠けている」
と言われます。
反論をしたとしても、
「自分たちは仕事してるから偉い・当然」
みたいな感じで、仕事をしていないことが絶対悪のように見られます。
私も子供が中学生に入れば、仕事を始める予定ですが、
(昼食を摂りに帰ってくる小学生と違い、朝から夕方まで学校に行くので)
そんなこっちの都合を言っても誰も聞いてくれません。
日本でどんな生活をしていたかなんてことも、関係ないのです。
フランスには共働き文化が根付いているので、主婦は禁句
フランスはとにかく、誰かと話をするとき
「仕事なにしているの?」とほぼ必ず言われる国です。
そこで
「主婦です」なんて言うと、
「は?!」
と、いう感じで、そんなものは職業ですらないような反応です。
なので、主婦とは言わず濁したほうが無難です。
フランスは共働きが当たり前で、
男性も家事、炊事、子育てを両立することが当たり前の国なんです。
日本みたいに旦那さんは仕事して、
あとはすべて奥さんがするなんてことはありえないし、
女性は「キレ」ます。
男女平等の国ですので、
女性だけが家事して子育てして仕事して・・・なんて、
ありえないのです。
何も家のことをしない男の人はすぐに捨てられるか、あまり存在しません。
日本とは根本的に環境が違うので
理解できないこともわかりますけどね・・・。
周囲の目を気にしないように心がけるしかない
いくら共働きが普通で周りから白い目で見られても、
自分たちが決めたことなので
気にしないように心がけています。
きっと、私だけ仕事しないで生活できていることにも、
ヤキモチを焼かれているのだと思います。
フランスは嫉妬が強い国ですので、すぐ陰口叩かれます。
でも、自分たちの人生はほかの人にはどうすることもできませんし、
理解も難しいでしょう。
誰も味方なく(主人一人だけ)、
話せる友人も家族もなく、皆から距離を取られ
昔の私なら悩んで「うつ」とかになっていたかもしれません。
でも、年取って図太くなったのか(笑)
そんなこと気にしてられない、そんなことより、いま自分に出来ることは?
家にいても儲ける方法は?などいろいろ考えています。
きっと結果を出せば、誰もが認めてくれるでしょう。
まだ先は長いですが、何があっても自分は自分でいることは大切ですね。